目の病気Q&A
糖尿病網膜症とは?
- Q
- 糖尿病網膜症ってどんな病気?
- A
- 糖尿病は血糖値が高い状態が続いた結果、全身の血管や神経がしだいにおかされ、目や腎臓をはじめ、全身のいたるところが障害される病気です。
糖尿病が怖い病気といわれている理由は種々の合併症にあります。そのなかでも、三大合併症とされるのが「腎症」「神経障害」そして「網膜症」です。
糖尿病網膜症は網膜に障害が起こり、場合によっては失明する病気です。初期は自覚症状がないため、気がつかないうちに病気が進行してしまい、ある日突然、眼底に大出血を起こして、失明の危機にさらされることがあります。
- Q
- なぜ糖尿病網膜症になるの?
- A
- 糖尿病で高血糖の状態が続くと、まず全身の細い血管に障害が起こります。糖尿病になると、目や腎臓に障害が起こりやすい理由は、目や腎臓には細い血管がたくさんあるためです。
網膜には、目に酸素を運ぶための細い血管が縦横に走っていますが、血糖値が高くなると、網膜の毛細血管に異常を来して、血管に瘤(こぶ)ができたり、詰まったりして血液の流れが悪くなります。
そうなると、網膜が酸素欠乏状態となるために、血管がもろくなり、血液中の成分が漏れ出したり、血管が破れやすくなったりします。
- Q
- どんな治療をするの? その1
- A
- 網膜出血が少量のみの初期の糖尿病網膜症であれば、次のような治療で進行を抑えることができます。
血糖コントロール
初期の糖尿病網膜症で視力が良好な段階であれば、食事療法、運動療法、薬物療法などにより、血糖値をコントロールすることで病変の悪化を防ぐことができます。
血糖値を安定した状態に保つことができれば、小さな出血などは自然に消えることもあります。(血糖コントロールで治る可逆的な状態)
もちろん、ほかの治療を行う場合でも、血糖コントロールは継続することが必要です。
網膜
光凝固(レーザー治療)
中期以降の糖尿病網膜症になるとレーザー治療を行います。(血糖コントロールでは治らない不可逆な状態)
外来で行い、数回の通院が必要です。
- Q
- どんな治療をするの? その2
- A
- 症状が進行してしまった場合は、手術が必要になります。
硝子体手術
硝子体の中で大出血が起こったときは、硝子体手術が必要になりますので治療可能な施設に紹介となります。
早い段階で網膜症を発見できれば、治療の効果も上がります。どの病気にもいえることですが、早期発見・早期治療が糖尿病網膜症では何よりも大切です。